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1885年、ニューメキシコ州の荒野で、ふたりの娘を育て
ながら医者として生きる女性マギー・ギルクソン。決して
裕福ではないが、平和な日々を送っていた彼女の前に、
家族を捨て音信不通だった父ジョーンズが、突然、現れる。
湧き上がる憎しみに混乱するマギー。しかし、その感情を
整理する暇もないまま、最悪の事件が起きる。マギーの
恋人が惨殺され、反抗的だった長女が誘拐されてしまう。
保安官も騎兵隊も頼りにならない状況のなか、彼女はしぶ
しぶ父親に協力を仰ぎ、幼い娘を連れて自ら救出に赴く…。 |
時代に先駆けて自立した生活を送っていたヒロインの、
かけがえのない娘を助けるための必死の行動――それは
過酷な世界を知る旅であり、なによりも親と子の絆を確認
する旅となる。往年の名作を引用したハワードの円熟した
演出のもと、娘がメキシコに売り飛ばされるまでの時間刻み
のサスペンスが盛り上がり、愛に紡がれたスリリングな映像
世界が展開していく。とりわけ、荒みきった誘拐犯とのハード
な戦いのクライマックスから感動の余韻に包み込まれるラスト
までは、まさに彼の独壇場である。アクションに彩られた緊迫
した人間ドラマ。広大なニューメキシコの景観のなかで綴られ
る、これは愛のロードムービーでもある。 |
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出演者は選りすぐりの実力派が揃えられている。娘の願いを
聞き、追跡する父親ジョーンズには『逃亡者』でアカデミー助演
男優賞に輝き、『追跡者』や『メン・イン・ブラック』、『英雄の条件』
などで男くさい魅力を振りまくトミー・リー・ジョーンズ。ここでは
白人社会になじめず、インディアン世界に身を投じた男性像を
みごとに演じきる。たくまざるユーモアを交えながら娘をみまもり、
修羅を経験した男が持つ凄みをちらりとみせるあたりトミー・リー
でなければ表現し得ないキャラクターである。 |
ヒロインのマギーを演じるのは『エリザベス』でアカデミー主演
女優賞にノミネートされ、一躍、その存在を知らしめたケイト・
ブランシェット。『リプリー』、『ギフト』、『耳に残るは君の歌声』
、そして『ロード・オブ・ザ・リング』まで、豊かな演技力で多彩
なキャラクターを演じてきた彼女が、たくましく、しかし弱さも
もったヒロインをリアリティ豊かに画面に焼き付ける。母親と
して、娘として、またひとりの女性として、さまざまな貌をもっ
た女性像を、ふくらみのある演技でみせる。ブランシェットの
存在が、この作品の魅力をいっそう深めている。 |
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ふたりを囲んで、娘に『シモーヌ』でアル・パチーノの娘役を
演じたエヴァン・レイチェル・ウッドと、『ハンテッド』のジェナ・
ボイドが起用されたのをはじめ、『ラスト・オブ・モヒカン』の
エリック・シュウェイグ、『ザ・コア』で主演を務めたアーロン・
エッカート。『アダプテーション』のジェイ・タヴァレ、『スモー
ク・シグナルズ』のサイモン・ベイカー。『メン・イン・ブラック』
のセルジオ・カルデロンなどに加えて、『セイント』のヴァル・
キルマーと、ロン・ハワードの弟クリント・ハワードと父のラン
ス・ハワードも出演しているスタッフも超一級の才能が結集
している。 |
トーマス・イードソンの原作小説のエッセンスを汲み、みごとな
脚色をみせたのは『スペース・カウボーイ』のケン・カウフマン。
ニューメキシコ・ロケを活かしながら迫力の映像を切り取った
撮影は『チェンジング・レーン』のサルヴァトーレ・トチノ。衣装は
『アメリカン・ビューティ』でアカデミー衣装デザイン賞に輝いた
ジュリー・ウェイス。視覚コンサルタントには『グリンチ』のメレデ
ィス・ボズウェル。編集は長年にわたってロン・ハワード作品を
手がけてきたマイク・ヒルとダン・ハンリー。 |
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音楽は『タイタニック』でアカデミーを手中に収めたジェームズ・
ホーナー。プロデューサーは、ハワードの盟友で、ハワード作品
のほとんどをサポートしてきたブライアン・グレーザーと、インディ
ペンデント映画で実力を発揮してきたダニエル・オストロフ。
(日本公式サイトより抜粋させていただきました)
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