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 ≪ 朝日新聞 夕刊 1997年12月12日掲載 ≫

顔に年輪 渋さに磨き
     「MEN IN BLACK」のトミー・リー・ジョーンズ
 
 全米で今年度の興行成績一位となる大ヒットとなり、日本でも
全国公開が始まった「MEN IN BLACK」。エイリアンを取り締まる
主役のひとりを演じているのがいかつい顔で悪役だってこなす
トミー・リー・ジョーンズだ。少し額が上がり、頬には深いしわ。
人生を感じさせる渋い役どころがぴたりとはまる。50歳を境に助
演から主演が増え、ますます大物感がにじみ出てきた。


     主役で大活躍、監督にも意欲


 SF映画への出演は初めて。「自分の役の上でのキャラクターを
限定することは避けてきた。どういう役が一番向いているかは自分
で決めることではないし、望まれれば出演する。」と51歳にしてどん
欲だ。

 そうした意欲と、「逃亡者」(1993年)のしつこい捜査官役で
アカデミー助演男優賞を受賞するなどの実績もあって、「MEN・・
」への出演は、バリー・ソネンフェルド監督の起用より先に
決まっていた。脚本の手直しにも参加している。

 「ハリウッドの映画は予算が巨額だから、その意味でも主役の
プレッシャーは大きい。『MEN・・・』では、笑ってほしいところで
狙い通りに観客が笑ってくれたのでハッピーだ。」

 10月に国内公開し、100億円を超える製作費でも話題となった
「ボルケーノ」では、噴火しパニックに陥ったロサンゼルスで、
危機の前面に立つ危機管理局長を演じている。
 俳優だけでなく、最近は監督業へも乗り出した。米国ではすでに
TVドラマの監督をしている。「映画監督は俳優になったときからの
夢だった。米国南部を舞台にした探偵モノと西部劇の2本を監督
する予定だ。」


 映画を離れると、生まれ育ったテキサスで、ポロ競技用の馬を
育て、牛を飼育している。ゴア米副大統領とはハーバード大以来
の交友が続き、11月末には、テキサスの自宅で共に食事を
してきたばかりだという。

 「人生?もちろんパーフェクトではないけれど、ドリームズ・カム・
トゥルーとはいえますね。」

 * 記事ご提供:ヒデ丸さん

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